メール世代向けのチャットツールの取り扱い説明書

やみくもに送れば良いわけじゃない!チャットツールの使い方

Photo by Austin Distel on Unsplash

リモートワークの会社でも、原則出社の会社でも、その両方が混在しているハイブリッド型の会社でも、チャットツールを利用していない会社は少なくなってきているのではないかと思うくらい、Slackなどのチャットツールでのコミュニケーションが当たり前となった今。しかし、メールや電話がメインの情報連携手段だった世代のなかには、メールの代替品としてチャットツールを使っている人も多いのではないでしょうか。チャットツール=メールの代替品として捉えるのは大間違い。ただ惰性でメールの代わりに使用するだけではなく、相手が理解しやすいように、さらに仕事の生産性を向上するように効率的に活用することが肝要です。

私がチャットツールでコミュニケーションを取るときに気をつけている点を列挙してみました。

目次

コミュニケーションの大原則

  • チャットツールにおけるコミュニケーションの大原則を以下に示します。コミュニケーションは基本的に公の場で行われるものと捉え、オフィスで会話しているのと同じように、周囲に聞こえても問題のない内容であるかを意識することが大切です。
  • 心理的安全性を意識することも重要です。
  • オフィスで出社していた場合、困っている人がいたら助けるように、質問チャンネルなどをオープンにし、相互互助の精神で取り組むようにしましょう。

チャットツールの特性を理解

距離感・情報量はメールと電話の中間くらい

まず、距離感を意識します。メールや電話でのコミュニケーションと同じように、相手に伝えたいことをしっかりと伝えるために、書くときは意識して情報量を増やすようにしましょう。例えば、電話や口頭で説明した場合を想像しながら、書くと良いです。また、会話が2往復続くようなことが想定されっる場合は1つの投稿にまとめるようにしましょう。

例)
○ 「✕✕の案件ですがどうなっていますか?」
✕ 「✕✕の案件ですがどうなっていますか?もし進捗があるようであればプロモーションプランを検討し始めたくて」

というように、相手が受け取った場合にどう思うのかまで考えを巡らせます。日本語は長文にすることで認識齟齬が起こりやすいという点に注意しましょう。一つの投稿で回答を求めようとしないようにしましょう。

チャットツールは非同期コミュニケーションだと意識しよう

チャットツールは非同期コミュニケーションの手段です。これにより、相手が会議中や離席中でも要件を伝えることができます。非同期コミュニケーションとは、電話のように2人が同時に連絡が取れる状態にある必要はなく、双方の都合の良いタイミングでコミュニケーションが取れる手段のことです。つまり、非同期メッセージを送信した場合、すぐに返信が来ることは想定されません。しかし、相手が都合の良いタイミングでメッセージを確認し、返信することができるように、伝える内容をしっかりと伝えるようにしましょう。

日本語は認識齟齬が起こりやすい!曖昧な言語だと理解すべし

日本語はSVO型言語ではなく、SOV型言語です。主語がなくても何となく文脈が伝わってしまう言語で、口頭では伝わるのに文章では温度感やニュアンスが伝わらない、違う意図で解釈されてしまった、というようなことが起こりがちです。認識齟齬が起こりそうだったら、短い会議や電話・ハドルなどですぐにフォローするようにしましょう。非同期コミュニケーションだけで完璧なコミュニケーションが成立するという過度な期待は禁物です。SNSなどで炎上コメントが起こることもあるように、相手とともに正しく理解するようにしましょう。

チャットツールはフロー型!情報は流れていく

チャットツールは非同期コミュニケーションかつフロー型です。自分が投稿しただけで責務を果たしたと思ってはいけません。相手に伝わってこそコミュニケーションが成立します。情報が流れることにも注意しましょう。相手が気づきやすいように、適切な時間間隔でフォローアップをするようにしましょう。

困ったときは検索するよね?検索性も考えよう

検索性を意識することも重要です。例えば、スクリーンショットの添付。スクリーンショットを添付するのは情報を伝えようとしているその一瞬はとても簡単なものです。しかし、その後のことも考えましょう。画像内の文字は検索ではヒットしないので、画像を送る際は説明を添えたり、Googleスライドなどの関連する資料のURLを添えるようにしましょう。また、会話中で使用する用語は統一して使うようにし、誰もが検索できるようにすることも大切です。

チャットツールをもっと活用できるTips

文章を書く際に以下を注意して投稿すると、さらに効率的なコミュニケーションが実現できます。

文章を書くときに注意すること

  • DMでのクローズドのコミュニケーションは極力控える
    インターネットの強みである検索性が活かせず、組織の知見にもならない
  • メンションされない=反応しなくて良い、わけではない
    メンションされない場合でも、反応する必要がある場合があります。
  • 長文共有はSlackのテキストスニペットを作成したり、他のドキュメントツールを利用する
  • 一つのトピックについては、基本的に同じスレッド内でやりとりするようにする(過去のスレッドがあって見つけられる場合は、そのスレッドを継続して利用する)

以上、非同期コミュニケーションの筆頭でもあるSlackやTeamsのチャットの使い方のコツをまとめてみました。参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

Riliのアバター Rili プロダクトマネージャー

都内在住の30代女性・IT企業勤務。サービスを作ることが好きなリモートワーカー。「人生はグラデーション」を掲げ、自由な働き方と生きやすい社会を模索する日々を綴ります。

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