イノベーションの原理と実践のU理論と目的化されたイノベーション

U理論 7つのステップ
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マンガでやさしくわかるU理論

先日、港区と慶應大学が主催しているご近所イノベーター養成講座の課題で「マンガでやさしくわかるU理論」を読みました。

U理論とは

U理論とは過去の延長線上ではない変容やイノベーションを個人、ペア、チーム、組織、コミュニティ、社会のレベルで起こすための原理と実践の手法を明示した理論で、イノベーションが起きる過程がUの字をたどるためU理論という名前がつきました。このU理論の大きな特徴は、卓越したパフォーマンスを発揮している過程において発生している意識変容にも注目している点です。

手書きの汚い図ですが、U理論の7つのステップが以下です。

読んだ感想はというと「え…よく理解できない。何これ?精神論?宗教?」でした。U理論の本家である『U理論[第二版]――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』は、大学教授も断念するくらい難度・障壁高めの本らしいです。

宗教っぽいなーと思って検索してみたら、やはり精神世界の哲学の要素も含まれているようです。多分、今回課題図書で出会わなかったら、自分から選ぶことはなかった本だったでしょう。とはいえ、課題図書なので多少のアレルギー反応を抱えつつもレポートを書きました。

受託開発畑の私が苦戦した自社プロダクト開発

私は現在、設立して3年目のベンチャー企業でプロダクトマネージャーとして働いています。今までWebサイトやECサイトの受託開発畑にいた私は、スタートアップに転職して、プロダクト開発のプロセスに正直苦戦しました。それは、今まで慣れ親しんでいたPDCAサイクルがうまくフィットしないなぁと思うことが多かったのです。今までの受託開発は、”想定通りの路線” で、”つつがなく” 、 ”オンスケジュールで進行すること” に重きが置かれていましたが、それに対しスタートアップの場合は、前例や事例がないことが多い。そのため、必然的にPDCAサイクルのPが存在しにくく、D(Do)から始まることがしばしばあります。

U理論は出現する未来からの学習

U理論は「”過去から”ではなく、”出現する未来から”の学習である」といわれています。本書を読んで、今まさに私が日々取り組んでいることは、慣れ親しんできた「過去からの学習」であるPDCAサイクルではなく、今「出現する未来からの学習」であるU理論だったのだ、と気づき、とても腹落ちしました。この「過去の経験から正解は見いだせない」という発想は、今まで世の中になかったビジネスやプロダクトを作り、世の中を変えたいと思っているプロダクト開発にかかわるすべての人が理解すべきだと思いました。私は特にU理論の7つのステップの中でも、Uの谷を昇り、意識変容から行動変容へと変わるプロセス、具体的に挙げると「ステップ3 感じ取る(Sensing)」と「ステップ5 結晶化」の部分を意識すると、より良いプロダクト作りに寄与するのではないかと考えました。

イノベーションって方法論でどうにかなるのだろうか

上記で記したようにU理論については概要は理解したものの、やはり自分のなかで納得が言っていない点があります。それは以下の2点です。

  • イノベーションって起こそうと思って起こす(起こせる)ものだろうか
  • 果たして方法論でイノベーションは起こせるのだろうか

「イノベーター」「イノベーション」という言葉は響きも良く聞こえるので、ひとり歩きしがちではないかと思うのです。言葉のイメージやフレームワークに踊らされて、イノベーションを起こすことを目的化しないように注意が必要だと改めて痛感しました。

この記事を書いた人

Riliのアバター Rili プロダクトマネージャー

都内在住の30代女性・IT企業勤務。サービスを作ることが好きなリモートワーカー。「人生はグラデーション」を掲げ、自由な働き方と生きやすい社会を模索する日々を綴ります。

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