プロダクトマネージャーとは何者なのか問題

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プロダクトマネージャーはイネーブラー

プロダクトマネージャーという役割を担当している自分にとって、「プロダクトマネージャーの存在意義・役割・責任範囲とは何のか」は常につきまとう問いだと思います。「今日もプロダクトマネージャーとしての責務を果たせたのだろうか」と考えなかった日はありませんし、一方から見たらプロダクトマネージャーの責務を全うしているとも見えるかもしれませんし、他方では、もしかしたら、「全然プロダクトマネージャーの仕事なんてしていないじゃないか、何をしているのか」「ビジネス面であれば自分の方が詳しいから自分の方が適任のはず」と思っている人も、もちろんいると思います。私もプロダクトマネージャーになったばかりの頃は、周りはほぼ男性、そしてエンジニアが多い環境でコミュニケーションを取るという行為ですら、自信がなく戸惑っていたものです。

今日、なぜこんなテーマのブログを書こうかなと思った理由は、Udemyのプロダクトマネージメントに関する講座を見ていて思わず笑ってしまった話がありました。

私が受講しているUdemyのプロダクトマネジメントの講座についてはこちらで紹介しています。

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これは以下のセリフです。

So here’s kind of a funny story.
We once had a new engineer join our company and he asked “What do you do?”
He hadn’t worked with a product manager before, and before I could answer, the other engineers said
“That’s the person that stops sales and legal from emailing you.”

Become a Product Managerから引用

“That’s the person that stops sales and legal from emailing you.”
「営業(ビジネスサイド)や法務からのメールを止める人だよ」
みたいな意味でしょうか。

笑い話として挙げられていますが、確かに…!なネタですよね。他社や社内のステークホルダーにメールやSlackでコミュニケーションを取りますし、法務とも商流や金流について確認するなどのやりとりをしているので、間違いではないですし。とはいえ、反面、「そうとしか(=メールのブロッカーだけ)思われていなかったらどうしよう」と不安に思い、苦笑してしまいました。

ちなみのこの講座では「プロダクトマネージャーとは、オーガナイザーであり、イネーブラーであれ」
と端的に表現しています。

A product manager is someone that sits in between multiple areas of the company and acts as a communications hub, organizer, and enabler for everyone else.

Become a Product Managerから引用

イネーブラーという言葉にあまり馴染みがないのですが、Goo辞書 では

イネーブラー【enabler】 の解説
1 他の人の行動に力を貸す人。後援者。「イネーブラー型企業」

と記載されていました。
プロダクトマネージャー=イネーブラーとは言い得て妙だなと思いました。

プロダクトマネージャーに求められる役割は状況による

「プロダクトマネージャー 役割」で検索すると分かる通り、様々な解釈が記載されているので、何が正解なのか分からない人も多いでしょう。でも、それで良いんだと思います。自分が経験し、そして、他社のプロダクトマネージャーともコミュニケーションを取ってみてわかったのは、プロダクトマネージャーの役割の理解は人それぞれ違うんだなということ。十人十色かもしれません。そのため、他社の方とプロダクトマネージャーについて会話するときは、その点を明確にするようにしています。

私はプロダクトマネージャーに求められる役割の違いは、以下の大きな3つの要因が存在するからだと思っています。その掛け合わせで、各企業やサービス・部署のプロダクトマネージャーについて定義できると考えています。

※この記事で指すプロダクトマネージャーとはWebブラウザやソフトウェア、スマートフォンアプリなどのITサービスに関するプロダクトマネージャーです。

  1. 会社の規模・フェーズ(大企業かベンチャーか)
  2. プロダクトの規模・フェーズ(PMFの前か後か)
  3. ユーザー(SaaS / BtoB / BtoC)

例えば、

  • スタートアップ企業で、まずはプロダクトを作ることが目標
    • この場合は社長自身がプロダクトマネージャーであり、プロダクトオーナーの場合が多い。
  • ベンチャーでPMF直前のプロダクトマネージャー
    • この場合は、プロダクトマネージャーは「ザ・なんでも屋」でエンジニアと兼務する場合や、プロジェクトマネジメントも似合うことが多い。
  • メガベンチャーのプロダクトマネージャー(=PMF済み)
    • サービスの規模が大きいので、サービスや機能ごとにプロダクトマネージャーが存在

などといった具合です。

なので、自分自身の存在意義や役割について不安になっても、巷のハウツー本の通りにうまくいかなくても、それはそれで良い、くらいの心構えでいられる人のほうがプロダクトマネージャーに向いているのかなと、最近は思うようになりました。

この記事を書いた人

Riliのアバター Rili プロダクトマネージャー

都内在住の30代女性・IT企業勤務。サービスを作ることが好きなリモートワーカー。「人生はグラデーション」を掲げ、自由な働き方と生きやすい社会を模索する日々を綴ります。

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