ITで接客を補完!SNSを駆使したファッション・小売のニューノーマルな接客

コロナ禍での洋服や化粧品といったお買い物はもっぱらECサイトだった私ですが、先日久しぶりに伊勢丹新宿店でお買い物してきました。そもそも1シーズンで同じ洋服をたくさん着回すスタイルに変えたので、洋服を買うという行為自体が昔より少なくなった私ですが、コロナによってそれに拍車がかかり本当に久方ぶりの買い物でした!

結論から言うとすごい楽しかった…!
デパートはエンターテインメントだ…!

試着して、店員さんとお話しして、お買い物の恍惚の境地だったのですが、その感動と喜びを上回る発見がありました…!

それは接客方式が大きく、そしてとても心地よい方向に変わって来ているということ👏
”ニューノーマルな接客”ってこういうことなんだなと実感した一時でした。

小売の接客において、具体的にこのコロナ禍で気をつけなければいけないのは、当たり前ですが感染者を増やさないこと。そのためには、ソーシャルディスタンスで距離を取り、飛沫感染を防ぐことです。

となると、今まで当たり前だった接客方式が通用しないのではなく、そもそも使えなくなります。今回の経験で特に印象的だったのは、「お客様との距離感が遠い・触れないのは当然」のなかで「今まで五感で伝えていた情報の不足分をどうやって補うのか」について、各ブランドが工夫して挑戦しているなという感想でした。

ニューノーマルな接客って?

今回は、婦人靴売り場、レディースファッション、ジュエリー、ハイブランドの鞄売り場、化粧品売場を買い回ったのですが、上述した「今まで五感で伝えていた情報の不足分をどうやって補うのか」の解決策としてITを駆使していたショップが多いように感じました。別の商業施設では、クリスマスケーキの紙のパンフレットを手渡しでされたりして、「え?」と思うようなこともあるのですが、今回はそういう体験はありませんでした。

特にお客様目線として「ありがたいな~」「ビフォアコロナよりも分かりやすいな~」「購買意欲が掻き立てられるなぁ~」と思ったのは、ショップでの対面での接客にSNSを駆使していたことです。ビフォアコロナから接客中にInstagramでコーディネートを提案したり、予約商品の案内などをしたりとSNSやタブレットを活用した接客が当たり前にはなってきていましたが、今回はそれが加速された印象です。

特に印象深かったのは、

  1. 化粧品ブランド💄
  2. ハイブランドのバッグ売り場👜
  3. ファッションブランドの接客🎽

での接客でした。

目次

1.化粧品ブランドのショップでの接客💄

私的にこのコロナ禍で一番買いにくくなった商品ナンバーワン、それは化粧品!コスメ!。
特にデパートコスメは、カウンターで購入しなければならないにも関わらず、店頭の商品は自由に試せないように透明のビニールシートがかかっており、さらにタッチアップ(試しに塗ってもらうこと)してもうらこともできない状況。そもそも私にとっては心理的ハードルの高いデパコスがさらに、高くなってしまったわけです。
「ということは、お客さんは店頭に赴いて会話だけして商品を購入するのだろうか…。よく分からないから別にデパコスを買わなくてもいっか!ネットで買えるし!」という思考回路になり、この半年以上デパコスコーナーから足が遠のいていました。

※2020/12/15追記
やはりマスク着用の影響で口紅は大きく影響を受けているようですね。アイメイク系化粧品は下げ幅がそこまで大きくなかったようです。
「コロナ禍で売れなかったものランキング「口紅」「酔い止め」などが上位に――インテージ調査
2020年、最も苦戦したカテゴリー1位は「口紅」。販売金額が前年比44%と半分以下になりました。逆に売れたものランキング1位は「マスク」でしたが、マスクをすることによって口紅をつけないという人も増えたようです。

今回、新宿伊勢丹のM・A・Cの前で「YouTubeでよく紹介されている下地クリームってどれだろう?」と気になり、ぼーっと見ていたら、話しかけられたのですが、そのときの接客が意外にも(自分がネガティブなイメージを勝手に想像していただけですが)心地よくて、ついつい下地クリームと、全く買う予定もなかったファンデーションを購入してしまいました。

タッチアップができないこの状況なので、その代わりに私の手の甲に塗布。塗り方やコツは店舗のInstagramのアカウントにアップされている動画とともに説明してくださるんですが、この動画がとても分かりやすい!そして人間忘れやすい人間なので1回説明しても大抵忘れますが、Instagramの動画だと、後でもう一度見たいとなってもInstagramを開けば良いので、便利ですね!

こんな感じでレクチャーしてくれます。この方は実際に接客してくれた方です。とてもフレンドリーで分かりやすくてお買い物しやすかった!

ふと思ったのですが、自分の顔にタッチアップしてもらうより、他人がメイクしている動画を見る方が理解しやすいなぁと。自分の顔を鏡で見ながら接客するのが何だか気恥ずかいのと、どういう手付きなのかが覚えられないので、私にとってはとても有り難かったです。

気づきポイント

  • タッチアップの代替手法にInstagramの動画
  • 店舗ごとのアカウントでスタッフが動画をアップしてくれるので分かりやすい
  • 「YouTubeで紹介されているクリームください」くらいの雑な質問にも回答してくれる対応力

ハイブランドのバッグの接客

ハイブランドでの接客で意外だったのが、写真が(おそらく)ブランド公式アカウントのものではなく、モデルや芸能人のInstagram投稿を見せてくれたことです。これはスタッフさんが非公式でやっていることかもしれないので、敢えてブランド名は伏せます。スクリーンショットを撮って、カメラロールで型番ごとに整理しているように私には見えました。なんて効率的!「え!ラグジュアリーなハイブランドってイメージが重要だから、公式以外の情報を接客に活用しなさそうなのに意外!」というのが私の素直な感想です。
ただ、公式のスーパーおしゃれな写真よりも身近で分かりやすい!もちろん日本のモデルさんや芸能人の方々も私と比較するには恐れ多いくらいおしゃれな方々ですが、普段着っぽいものにバッグをコーデイネートしているので、普段のコーディネートに合うかどうかや、サイズ感などが伝わり、すごい分かりやすいなと思いました。

気づきポイント

  • ハイブランドでもInstagram
  • こちらもタブレット必須
  • しかも公式の写真ではなく、モデル等のInstagramの投稿で提案

ファッションブランドの接客

今回はレディースファッションフロアのなかでも、そのブランドのディレクターが私と同世代で、まだ出来たばかりのブランドでしかお買い物をしていないので感覚的に偏っているかもしれないですが、この辺の領域のブランドは、コロナ以前からSNSやECを最初から駆使した接客をしていたという印象ですよね。そう、よくいうミレニアル世代がターゲットだと思われるブランドです。
そのため、特にコロナ禍で大きく変わったとは思わなかったのですが、Instagram上でのライブ配信が増えて、動画での情報発信が明らかに増えましたよね。実際に動きが見れるので、シルエットや素材感が分かって便利ですよね。
私が個人的にありがたいな、便利だなと思うのは、店舗・ECというチャネルに関係なく、全体の在庫を把握しているスタッフさんが増えた、質問しやすくなったという点ですね。試着したけど、即断できない場合もあるので、どれくらいの消化率かどうかが分かるだけで安心して買い物ができます。

私はclaneでニットとパンツを購入。しかも5周年のノベルティフェアを実施中でパスケースがもらえる額まで購入してしまいました。もちろんノベルティのグッズも鋭意制作中なので、説明はこのInstagramの写真で。届くの楽しみだなぁ~~~

まとめ

  • タブレットを活用していないショップはあまりない(というか見なかった)
  • ショップスタッフが店頭在庫だけでなく、EC在庫や入荷スケジュールも把握していることが比較的多い(しかも空で答えられる)
  • Instagramはカタログ代わりでガンガン見せてくれる
  • Instagramライブでの接客の増加
  • リアル店舗での接客でも、ブランドの顔であるプロデューサーのコーディネートもInstagramの動画で見てもらうなど、ネットを駆使してブランドイメージを的確に伝える

いや~やっぱりお買い物って面白いですね。感染者数が落ち着くまでは引き続き外出は控えようと思っているので、次はいつになることやら。そういえば今年の年末年始のセールはどうなるんでしょうね。気になるところです。

Header Photo by mostafa meraji on Unsplash

この記事を書いた人

Riliのアバター Rili プロダクトマネージャー

都内在住の30代女性・IT企業勤務。サービスを作ることが好きなリモートワーカー。「人生はグラデーション」を掲げ、自由な働き方と生きやすい社会を模索する日々を綴ります。

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