ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
今日は目標を習慣化し、実現させることに焦点をおいて書かれた本 「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」 をちょうど年末に読んで、年始に設定した目標を実現したい方にぴったりな本だなと思ったので紹介します。
特に2021年の目標設定や習慣化について興味があったわけではないのですが、恐らく行動経済学に関する書籍を多く読んでいるので、その流れでレコメンデーションされたのかもしれません。サンプルをKindleにダウンロードしてみたら、とても分かりやすく、読みやすく、かつ科学的に裏付けられているので、理解しやすく、すいすいと読んでしまいました。結果、続きが気になり本編を購入しました。さすが日米ベストセラー1位の本。
著者のジェームズ・クリアー氏は自身の大怪我からスポーツ選手として復活するまでに、独自で得た習慣に関する知見についてブログに書いていくうちに、メルマガの読者数が増え、インタビューをされたり、記事を書いたりして、習慣に関する専門家として認知されるようになり、書籍を執筆するまでになったそうで、自分でも想定していなかったキャリアを歩んできたそうです。
「一年の計は元旦にあり」目標を実現させたいあなたに
「一年の計は元旦にあり」ということわざがあるように、1月に新しい目標を立てる人は多いのではないでしょうか。書き初めをしたり、新年の初回の部門やチームの定例会で共有したりという会社もあったりしますよね。私はいつも難しそうな四文字熟語でごまかしてましたが…
特にプライベートの目標を立てるときって、実現可能かどうかもあまり考えないまま立ててしまったりしませんか?このあとの大変さをあまり気にせず、一年後に、自分が夢見る理想の自分になっていることを想像して、割りと簡単にサクッと決まってしまうものです。例えば「今年1年で10kg痩せます」といったように…。カジュアルにこういう目標を発表する人に限って、痩せない傾向にあるような気がするのは私だけでしょうか。仕事の目標は給料・賞与、肩書にも影響するので、緊張感があり、義務感で達成しなければと真面目に取り組むものですが、プライベートでの目標はなかなか達成しにくいものです。まさに「言うは易く行うは難し」で、上記のようなダイエット発言以外にも、筋トレや貯金、読書、英会話といった類のものも多い目標ですよね。カジュアルに立ててしまうからこそ、毎年失敗を繰り返し、端からプライベートの目標は立てても、成功しないと思いこんでいるが故の発言かもしれないですね。
良い習慣を確実に身につける「超」実践マニュアル
こちらの書籍は、目標を設定して、それを習慣化し、誰もがなりたい自分になれるための実践マニュアルです。前述で紹介したジェームズ・クリアー氏のWebサイトでメルマガ購読すると、実際にプリントアウトして利用できるテンプレートをゲットできるので、ぜひ登録してみてください。
とてもシンプルな作りなので、自分でスプレッドシートで作っても良いかと思います(私はGoogle Driveで完結させたかったのでスプレッドシートで作りました)。とても簡単な枠組みでステップアップしていくので、無理なく習慣化ができる内容になっているのではないでしょうか。
Atomic Habits:原子が分子の構成要素であるように、小さな習慣を積み重ねて習慣となる
この本の原題は「Atomic Habits: An Easy & Proven Way to Build Good Habits & Break Bad Ones」で、原子が分子の構成要素であるように、小さな習慣を積み重ねた成果が自己の習慣となる、ということを認知科学と行動科学の統合モデルで習慣化するような枠組みを紹介しています。
人間の行動が変化する以下の4つのステップを応用して、ノウハウはまとめらています。
- きっかけ
- 欲求
- 反応
- 報酬
習慣は自己改善を複利で積み上げたものであり、1パーセントの改善が長期的には大きな改善になるので、目標ばかり追ってはいけない、とジェームズ・クリアー氏は言っています。そして「より良い結果を得たいなら、目標を設定するのは忘れ、かわりにまずは仕組みづくりに集中し、取り掛かろう」とも述べています。
小さな改善がゆくゆくは大きな改善につながるという話はよく聞く話ですが、この本でもご多分に漏れず以下のように記載されています。
このような考えを発言している経営者など著名な方は昔から存在しますが、「経営者になれるような偉大な人間だからこそ、地味で苦になることも達成できたんじゃない?」と穿った見方をしたくなるのが、人間の本心ですよね。
でも、この本のすごいところは精神論ではなく、心理学や行動経済学、神経学を参考にしてノウハウを組み立てているところなのです。なので、私のような一般人でも続けられると思います。というのも、私はこの本を読む前に、たまたま読書とヨガと英語学習が約3ヶ月ほど継続状態を保られているのですが、本を読むと「なるほど!」と参考になることばかりでした。
例えば
- ギターがうまくなりたいのなら、ギターを常に視界に入る場所に置いておく、触れる
- 毎日ランニングできるようになりたいのなら、ランニングシューズの靴紐だけ毎朝結ぶ
- 家を常に清潔に保ちたいのなら、普段の動作のあとに拭き掃除を取り入れる
といったようなことです。私もヨガマットを寝る前に敷くようになりました。そうすれば夜のストレッチから朝のヨガまで義務感に捉われることなく、ストレスなく、実行に移すことができます。
※余談ですが、私は邦題よりも原題の「Atomic Habits」の方が小さな習慣が蓄積され、大きな習慣へと変化するイメージが湧きやすいなと思いました(表紙ともマッチしていて相乗効果でイメージしやすい)。
習慣とは自分のアイデンティティーを体現するものである
本書には、「何を達成したいのか」ではなく、「どういったアイデンティティーを持った人間になるための習慣なのか」が重要であることが触れられています。改めてそう言われてみると、なりたい自分になるために習慣をつける、その願望のなかに自分が求める自分の理想像があるんだなと。
- 毎日トレーニングをする人はスポーツマン
- 毎日ベッドメイキングする人は几帳面な人
- 髪の毛のケアをきちんとする人は美意識が高い人
といった風にです。
また、アイデンティティーという言葉も語源が「繰り返す存在」というのも、とても興味深く面白いですね。
じつは、「アイデンティティー」という言葉は、もともとラテン語で「存在」という意味の「エッセンティータス」と、「繰りかえし」という意味の「イーデンティーディム」を語源としている。つまり、アイデンティティーとは、文字どおり「繰りかえす存在」のことである。
潜在能力のプラトー(停滞期間)にぶち当たったら?
「毎日実践しているのに、なぜ効果が出ないんだろう?」という考えに捉えられることは、誰でも少なからずあると思います。良い習慣を途中で挫折させないためにも、この停滞期に打ち克つコツも本書では紹介されています。それは「目標ではなく仕組みに集中すること」。確かに成果が出る前に不安になって、諦めてしまうことも多いのかもしれませんが、「仕組みに集中すること」では大雑把すぎますよね。本書でもっと具体的なセオリーが載っていますので、ご安心ください。
人間は先延ばしにする生き物である=現在バイアスの存在
私たち人間が目標達成でなぜ苦労するのかというと「現在バイアス」の存在ですね。この本には、現在バイアスではなく、時間割引・双極割引として触れられています。
- 現在バイアス…目の前にある事柄の方を実際よりも過大評価してしまうこと。
例)夏休みの宿題や海水浴までのダイエットなど - 双曲割引…自分との距離が遠いと差を感じにくくなること
例)今すぐに1万円もらうか、1年後に1万1千円をもらうか?(前者を選択する人の方が多い)
このような人間の特性・性質を活かしつつ、自分のアイデンティティーを体現するためにも、ゆるやかでも良いので、原子レベルの良き習慣を集めて、2021年どうなるか分からないですが、良い年にしたいですね。私も、前述したヨガ・読書・英語学習が習慣化されつつあるので新たな目標を追加しようかなと思います。